| 玉ねぎは野菜の中で最も糖質が多く、果糖、ブドウ糖、ショ糖がほぼ同量ずつ含まれます。糖類はほとんどがエネルギー源として消費されます。カリウム、亜鉛、リン、ビタミンB1、B2、Cなどを含みます。特筆すべき成分は、玉ねぎの刺激成分である硫化アリルなどのイオウ化合物です。硫化アリルは非常に揮発性の高い成分で、玉ねぎを切った時に涙がでるのはこの成分が原因です。硫化アリルは加熱すると非常に糖度の高いプロピルメルカプタンという物質に変化します。玉ねぎを加熱すると甘くなるのはこのためです。 |
| 高血圧や糖尿病に |
| 硫化アリルは動脈硬化の原因となる血栓やコレステロールの代謝を促進し、血栓ができにくくする作用があります。最近よく言われる「血液がさらさらに」というのはこの効果です。この作用で、高血圧、糖尿病、動脈硬化、脳血栓、脳梗塞などの予防に効果があります。 |
| 疲労回復、精神安定に |
| 硫化アリルはビタミンB1と結合してアリチアミンとなることで体内にビタミンB1を長く留め、ビタミンB1の吸収を促進するはたらきがあります。ビタミンB1は、糖質を素早くエネルギーに変える栄養素で、不足すると、疲労、食欲不信、不眠、イライラなどの症状がおこります。ビタミンB1を多く含む食品は、豚肉やハム、かつお、大豆などなので、これらと一緒に料理すると上記症状の予防に効果大です。 |
| 食欲増進に |
| 硫化アリルは、胃の消化液の分泌を高め、胃のはたらきを改善し、食欲を増進させる作用があります。 |
| 硫化アリルは、アミンという肉や魚の生臭みの成分と反応し、生臭みを緩和します。また、「西洋のかつお節」と呼ばれるほど、旨み成分であるグルタミンが多く含まれ、肉や魚料理をおいしくしてくれます。 |
| 硫化アリルには強い殺菌力があります。辛みの強い玉ねぎほど傷みにくく、病害虫に強いのはこのためです。 |
| 硫化アリルは、加熱により消失しますので、上記の効果を期待する場合には、生食するのが一番良い方法です。ただし、これらの化合物は、玉ねぎ内に含まれる酵素の作用により、熱に強い成分に変質します。玉ねぎを炒めるなど、火を通す調理に使う場合は、切ったあと1時間ほど放置したあとで火にかけると良いでしょう。 |
| 硫化アリルは水溶性ですので、水にさらすと大半が流れ出てしまいます。辛みは酢を使ってやわらげるといいでしょう。 |
| がん予防に |
| 玉ねぎにはケルセチンというポリフェノール成分が含まれています。ケルセチンは、特に外皮に多く含まれています。ケルセチンには抗酸化作用があり、がんや老化などの活性酸素が引き起こす病害の予防になります。また、ケルセチンには体内に摂取した脂肪の吸収を抑制するはたらきがあり、ダイエットにも有効です。 |